カエルでもわかる資産・前払金の仕訳 前渡金・前払費用・仮払金との違い - 日商簿記3級
会社は、商品を売るために、まず商品を仕入れる。
当たり前だし!
仕入れは、即金払いの現金仕入れ
と、
あとでまとめて支払う掛仕入れがある。
ツケといてや!
掛仕入れでは、買掛金という勘定科目が使用される。
今回は、内金としてお金を支払った場合の処理について。
ここで使用される勘定科目が、前払金だ。前払金は前渡金ともいう。
一緒かい!
そう、前払金と前渡金は同じ。前払費用や仮払金との違いについては後程。
前払金は資産
商品やサービスの提供を受けるとき、前もって内金を支払うことがある。
それが、
前払金(まえばらいきん)
この前払金を支払ったときは、まだ商品やサービスを提供されていない。商品は仕入れてない。
あとで、商品やサービスの提供を受けとることになる。
前払金とは、この、あとで商品やサービスの提供を受けとる権利だ。
そのため、資産に該当する。
勘定科目は、下記の5つのグループにわかれ、借方か貸方のいずれかの属性をもつ。
貸借対照表で表示される3つと、
- 資産 ⇒ 借方
- 負債 ⇒ 貸方
- 純資産 ⇒ 貸方
損益計算書で表示される2つだ。
- 収益 ⇒ 貸方
- 費用 ⇒ 借方
この5つのグループは、5要素とか5大要素と呼ばれる。
前払金は、この資産に属する。
資産とは、あとで、お金や商品・サービスを受け取れる権利だ。なので、前払金は資産となる。
前払金を支払ったときの仕訳
たとえば、下記のような取引が発生したとする。
- 100,000円の商品のうち、30,000円を内金として支払った。
この取引を記録するために、仕訳を行う。仕訳とは、取引を記録するテクニック。
取引を借方と貸方の二つにわけて記帳する。
借方は左側!貸方は右側!
上の取引は、以下のように仕訳を行う。
借方 貸方
(前払金) 30,000 (現金) 30,000
前払金と現金は、ともに資産の勘定科目。
もう一度、5要素と属性をみてみよう。
- 資産 ⇒ 借方
- 負債 ⇒ 貸方
- 純資産 ⇒ 貸方
- 費用 ⇒ 借方
- 収益 ⇒ 貸方
資産は借方属性なので、発生したり増えたりしたときには借方(左側)に記録する。逆に、減った時には貸方(右側)に記録する。
そのため、上記の例では、現金30,000円を支払っているので、
借方(左側)に、現金 30,000円を記録する。
貸方(右側)には、前払金 30,000円を記録する。
仕入の仕訳は行わない
前払金を支払った時点では、商品の提供を受けていないので、仕入れが発生していない。
そのため、仕入の仕訳は行わない。
仕入発生時の前払金の処理
前払金を支払ったのち、商品を受け取ったときの処理について。
このとき、仕入が発生するので、仕入を計上する。
仕入計上と同時に、前払金を消す。
現金仕入れと掛仕入れについてそれぞれ見ていこう。
現金仕入れ
現金仕入れの場合、仕入、現金、前払金の3つの勘定科目を使って仕訳を行う。
借方 貸方
(仕入) XXX (現金) XXX
(前払金) XXX
仕入は費用!増えたら借方!
現金と前払金は資産!減ったら貸方!
仕入は費用。
費益は借方属性なので、発生したり増えたりしたときには借方(左側)に記録する。逆に、減った時には貸方(右側)となる。
もう一度先ほどの例をみてみよう。
- 100,000円の商品のうち、30,000円を内金として支払った。
このあと、商品を仕入れ、残りの70,000円を支払った場合、以下の仕訳となる。
借方 貸方
(仕入) 100,000 (現金) 70,000
(前払金) 30,000
掛仕入れ
掛仕入れの場合、仕入、買掛金、前払金の3つの勘定科目を使って仕訳を行う。
買掛金はあとで営業代金を支払う義務。負債。
借方 貸方
(仕入) XXX (買掛金) XXX
(前払金) XXX
買掛金は負債!減ったら貸方!
またあの例をもう一度。
- 100,000円の商品のうち、30,000円を内金として支払った。
このあと、商品を仕入れ、残りの70,000円を掛とした場合、以下の仕訳となる。
借方 貸方
(仕入) 100,000 (買掛金) 70,000
(前払金) 30,000
買掛金は前払金と相殺ね。
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前払費用との違い
前払金と似た勘定科目として、前払費用がある。
前払費用も前払金と同じく資産の科目だ。
前払費用は契約によって継続した商品やサービスの提供を受けることが決まっているとき、提供前にお金を支払った場合に使用する。
なんかかたいし!
代表的なものは、家賃や保険料だ。
たとえば、来期分の家賃を前もって支払った場合、その来期分は前払費用として資産で計上する。
仮払金との違い
他にも前払金と似た勘定科目として、仮払金がある。
仮払金も前払金と同じく資産の科目だ。
ただし、仮払金は内容が確定していない一時的な支払いに用いる。
たとえば、
- 従業員の出張費用などの前渡し
- 内容不明の支出
そのため、基本、決算では残さない。貸借対照表に表示させない方がいい。
賄賂!賄賂!
会計英語では Advances
会計英語では、Advances という単語がよく用いられる。
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